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木村教授ごあいさつ
皆さん、日本医科大学大学院医学研究科肺循環・呼吸不全先端医療学のホームページをお訪ねいただきありがとうございます。本講座は平成29年4月に開設された新しい講座で、日本医科大学でも最も新しい講座の一つです。その目的は、肺高血圧・呼吸不全の臨床研究を行うとともに、肺高血圧の未診断症例に対して病態解明と診断を押しすすめ、治療適応患者に対しては適切な肺高血圧症の先端治療を行うことにあります。当大学付属病院としては呼吸器内科のなかで外来および入院診療を行うとともに、循環器内科、膠原病・アレルギー内科、放射線科等の診療各科とのチームワークのもと診療を行っています。
肺高血圧症に特徴的な臨床症状は労作時呼吸困難です。労作時呼吸困難を呈する患者は、呼吸器疾患、循環器疾患、リウマチ性疾患(膠原病)、神経筋疾患、貧血等の血液疾患等、様々な疾患が上げられます。肺高血圧を引き起こす病因の責任部位が肺動脈(肺小動脈)に求められる病態を肺動脈性肺高血圧症(pulmonary arterial hypertension: PAH)といい、近年PAHに対する血管拡張療法を主とする治療薬が種々、臨床現場で使用できるようになりました。このようなPAHは、特定の原因が同定できない特発性のPAH(idiopathic PAH: IPAH)と遺伝性のPAHがあり、ほかに膠原病に伴うPAH、肝疾患(門脈圧亢進症)に伴うPAH等が主な疾患です。いわゆる難病として、厚生労働省特定疾患医療費助成制度の対象疾患として取り上げられています(難病情報センター参照:http://www.nanbyou.or.jp)。同時に、これらの疾患は肺高血圧症の第1群といわれ、1群に対しては多くのPAH肺血管拡張薬が保険適応となっています。
また、他の代表的な肺高血圧症としては、しばしばPAH と鑑別を要する疾患である慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension: CTEPH)があげられ、このCTEPH はPHの第4群に分類され、特定疾患医療費助成制度の対象疾患として取り上げられています。
さらに、呼吸器疾患に伴う肺高血圧症(第3群)や循環器疾患(左心疾患)に伴う肺高血圧症(第2群)があげられます。特に第3群の肺高血圧症の中には、PAHフェノタイプと考えられる一群の疾患群(PAHが病態の主因であり、喫煙関連などの呼吸器疾患を伴ったもの)が存在します。概ね呼吸機能(肺活量や1秒量)が比較的保たれている割りに肺高血圧症の程度が高度の症例が該当します。私たちはこれらのPAHフェノタイプを有する症例を呼吸器疾患の中から適確に診断し、PAHフェノタイプと診断しうる症例に対しては1群PAHとしての適切な治療を行っていきます。
学歴及び職歴
1970年 | 3月 | 東京都立富士高等学校卒業 |
1972年 | 4月 | 金沢大学医学部医学科入学 |
1978年 | 3月 | 金沢大学医学部医学科卒業 |
1978年 | 5月 | 千葉大学医学部附属病院研修医 |
1980年 | 4月 | 国立国府台病院内科医員(厚生技官) |
1981年 | 4月 | 千葉大学医学部附属病院呼吸器内科医員 |
1983年 | 4月 | 千葉大学医学部研究生、呼吸器内科医員 |
1984年 | 4月 | 国立療養所千葉東病院呼吸器科医員(厚生技官) |
1986年 | 4月 | 千葉大学医学部附属病院呼吸器内科医員 |
1987年 | 2月 | 千葉大学医学部呼吸器内科助手(文部教官) |
1988年 | 4月 | 米国ペンシルベニア大学医学部内科学呼吸器部門 Postdoctoral Fellow |
1992年 | 10月 | 千葉大学医学部呼吸器内科講師(文部教官) |
1997年 | 2月 | 千葉大学医学部呼吸器内科助教授(文部教官) |
2001年 | 4月 | 奈良県立医科大学内科学第二講座(呼吸器・アレルギー・血液内科)教授 |
2008年 | 4月 | 昭和大学医学部客員教授(第二生理学)(~2014年3月) |
2009年 | 10月 | 金沢医科大学非常勤講師(呼吸器内科学)(~2012年3月) |
2011年 | 10月 | 日本医科大学非常勤講師(兼任)(~2014年9月) |
2012年 | 4月 | 奈良県立医科大学図書館長(~2016年3月) |
2014年 | 4月 | 日本呼吸器学会筆頭常務理事(~2016年4月) |
2014年 | 10月 | 日本医科大学客員教授(兼任)(~2017年3月) |
2014年 | 10月 | 金沢医科大学非常勤講師(呼吸器内科学)(兼任)(~2015年3月) |
2017年 | 3月 | 奈良県立医科大学定年退任、名誉教授 |
2017年 | 4月 | 日本医科大学大学院医学研究科 肺循環・呼吸不全先端医療学寄附講座 教授 |
学会会長等
2003年 | 11月 | 第74回日本呼吸器内視鏡学会近畿支部会会長 |
2004年 | 7月 | 第80回日本肺癌学会関西支部会会長 |
2004年 | 12月 | 第64回日本呼吸器学会近畿地方会・第94回日本結核病学会近畿地方会会長 |
2006年 | 2月 | 第13回日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医大会会長 |
2010年 | 8月 | 第50回臨床呼吸機能講習会会長 |
2014年 | 10月 | 第24回日本呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会会長 |
2015年 | 4月 | 第55回日本呼吸器学会学術講演会会長 |
2015年 | 9月 | 第209回日本内科学会近畿地方会会長 |
経歴(学会役員・公的委員会委員等)
日本内科学会評議員 |
日本呼吸器学会筆頭常務理事・理事 |
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会理事 |
日本呼吸器内視鏡学会理事 |
日本肺高血圧学会理事 |
日本臨床生理学会理事 |
日本アレルギー学会評議員 |
日本肺癌学会評議員 |
日本結核病学会評議員 |
日本睡眠学会評議員 |
日本抗加齢医学会評議員 |
アジア太平洋呼吸器学会(APSR)肺循環学術部会長 |
奈良県医師会理事 |
独立行政法人医薬品医療機器総合機構専門委員 |
一般社団法人GOLD日本委員会理事 |
Best Doctors in Japan in 2008-2009, 2010-2011, 2012-2013, 2014-2015, 2016-2017 and 2018-2019 |
専門医、資格等
日本内科学会 認定内科医・指導医 |
日本呼吸器学会 専門医・指導医 |
日本呼吸器内視鏡学会 専門医・指導医 |
日本アレルギー学会 専門医・指導医 |
日本結核・抗酸菌症学会 指導医 |
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会 呼吸ケア指導士 |
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 |
日本抗加齢医学会 専門医 |
肺がんCT検診認定機構 認定医 |
日本医師会 認定産業医 |
Fellow of American College of Chest Physicians (FCCP) |
受賞等
Fukuchi Award (Asian Pacific Society of Respirology 最優秀論文賞:2010年) |
武田科学振興財団 特定研究助成(共同受賞:2012年) |
Michiyoshi Harasawa Award (Asian Pacific Society of Respirology 学会賞:2015年) |